社長と社員で織りなすマーケティングやらよもやま話。
マーケティング(WEB) | 2017/05/22
昔、シンガポールで通訳が来なくて急遽代役をやった冨田です。為せば成る(謎)。
さて、ようこそ横文字の世界へ。本日はマーケティングオートメーション雑感であります。最近だと、Marketoなどが話題ですね。
平たくいうと、マーケ部門や担当者向けに作られた統合支援ソフトといったところでしょうか。
ぜんぜん平らではないですね・・・。
ちょっとした企業であれば、広報や集客手段として複数のWebサイト、メールマガジン、SNSなどネット上だけでも多くの媒体を通じて情報発信を行ってお客様とのやりとりをしています。
顧客反応の分析や日々の情報発信をまともにやろうとすれば、いくらAIが発達しても過労死待った無しの手間がかかります。
そこで、この辺りの情報分析や情報発信など、日々の定型的な仕事はシステムで自動化できるようにしようというのが基本コンセプトの一つではないでしょうか。
近いものではメールマガジンの発行システムがあります。メールマガジン配信先の開封率やクリック率などの分析から、ステップメールのような決められた条件で決められた内容のメールをで送るような仕掛けまで様々な機能が提供されています。
うまく使えば「成果の改善」を行うことができます。
マーケティングオートメーションは、こうした自動化をメールにとどまらずインターネット上の活動全般に広げたソフトと言えます。
このマーケティングオートメーションには、もう一つ、基本となる考え方があります。
マーケティングの「じょうご」です。英語だとMarketing funnelとかSales funnelとか言うやつです。
Funnelはじょうご。じょうごは漢字で漏斗ってやつです。「ろうと」とも読みます。
液体を瓶に入れるときに使う、入り口が広くて出口の狭い渋いやつ。料亭でバイトしていた時に結構使いました。若い人たちは検索してね!
企業から見て、知らない方々がお客様になる段階と人数を考えると「じょうご」のような形になることから、この名前が付いています。
購買やリピーターになるまでの段階を考えると、一例として下記のような感じの段階を踏むだろうと考えられます。
この段階ごとの人数は、上から下に行くほど少なくなるわけですから、ちょうど「じょうご」の形になるという話です。
マーケティングオートメーションは、この各段階毎にお客様へのお近付きを考えて行動することで、より多くの売上があげられるはずだという考えに基づいています。
例えば、マーケティングオートメーションのソフトで分析した結果、ホームページに複数回も訪問してくれているのに、購買につながっていない顧客層がいるとします。何回も訪れるなら、それなりに興味を持ってもらえているはずだから、そのようなお客様には割引チケットを表示して購買確率をあげようみたいなことができます。
キャバ嬢の営業LINEやSNSを科学的にやろうみたいな感じでしょうか。
マーケティングオートメーション界隈の用語に「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」があります。そしてもれなく、英訳直輸入の用語を振り回し、触れるものをチビらせる方々が発生します。
安心してください、このような輩に遭遇したら、落ち着いて「日本語で頼む」とお願いするのです。
リードジェネレーション(Lead Generation) = 「見込み顧客の創出」です。日々のネット上での情報発信、営業、DM、展示会などで、興味のありそうなお客様を確保することです。
リードナーチャリング(Lead Nurturing) = 「見込み顧客の育成」です。獲得した見込み顧客に、ネット上やご対面で定期的に接触を保つことで、「顧客」になってもらう機会を継続的に作る活動です。Nurturingは「保育」という意味もあり、お客様の前で直訳してはいけません。
クラブのママの「最近来ていないけど、お元気? お顔見たいわ」コール的な何かを感じます。
細かく見ていけば、「日々のマーケ・営業活動でやってる活動ではないか」という話になります。
しかし、マーケティングオートメーションが持つ、顧客になってもらう段階ごとに科学的にアプローチしようとする姿勢には共感するところです。
聞けば当たり前ですが、実際にはできてないことが多いわけですから。
なお、難しそうな用語達は、当たり前のものを新しく見せて興味関心を喚起させる商売上の要請かと思われます。
カタカナを振り回す輩には、やはり「日本語で頼む」と一言申しましょう。相手が日本語でやさしく説明できなきゃ、お近づきになっては行けません。
十中八九、本人も実は分かってないから。
ネットで集客活動をすると、必然的にお客様のデータが積み上がっていきます。
データがあっただけでは何もわからないのですが、切り口を考えた上で見てみると「もっと売上を上げられる作戦」が出てくる可能性があります。
マーケティングオートメーションは、そうした気づきを与え、ついでに、対応もすぐできる可能性を秘めた仕組みとも言えます。
ただし、こうした施策は内容を良く理解した担当者なり業者のサポートがいる分野で、使いこなして効果を上げるまでは少し時間がかかるようです。
もう少しシンプルにならないものかと思案しております。