社長と社員で織りなすマーケティングやらよもやま話。
マーケティング(WEB) | 2017/06/30
社長の冨田です。
このところ、しきりにAIが叫ばれております。理科系界隈では、定期的に訪れるこうしたブームとは別に、その限界や現実も踏まえて粛々と研究を積み重ねていると思います。
とはいえ、ブームが起こるとお金がついたりするので、その分野の方々には悪い話ではないのかもしれません。
マーケティング領域のAI活用は進んでおりまして、とりわけデータが揃いやすいネットマーケティング分野では活用事例が増え始めています。
現在のAIブームは機械学習や深層学習がベースとなっています。大量のデータから学習することで、目的に応じて最適な解をいい精度で予測してくれます。
例えば、O2O分野(ネットから来店につなぐ取り組み)では、ネットでのコンタクト、来店、顧客ごとの粗利益のパターンを学ばせて、得意な顧客層や苦手な顧客層の来店促進や利益を最大化する顧客層の抽出などができるようになっています。
基本的には、将棋や囲碁で有名なAIと同じで、目的に至る勝ちパターンを大量のデータからある程度自動的に導き出し、その情報を元に最適なマーケティングの打ち手を行うというのがトレンドのようです。
そんな魔法のようなマーケティングAI。魔法な訳ないじゃないですか。
社内の散在しているデータをリアルタイムで集約する仕組みを構築して、AI学習で使えるデータに変えるまでで、担当者やエンジニアは最低でも吐血必死です。無意識で会社に火をつけかねない苦行であります。
また、適当にデータをぶっ込めば解答を出してくれるわけじゃありません。解答を出してくれそうなモデル構築だって必要です。
それでいざ予測が吐き出されてきたら、「もうやってる」みたいな結果が出てきた上に、手動の方がちょっと精度が良かったとなる場合だってあります。経営陣がそのあたりの事情を知らず、お花畑だとクビになりかねません。
じゃぁ、予測値が出てきたらそれどうやって活用するんだという話になります。予測から次のアクションにつなげる仕掛けがヘボければ利益につながるはずの最適解も不発であります。
先進事例や成功事例だけ掬えば、そりゃぁバラ色です。だって、先進的で成功事例しかないんだもん。当たり前じゃないですか。
しかし、普通に考えれば、その裏にたくさんの失敗や不発事例があります。費用対効果が見合わなかったり、データ集めとクレンジングで犠牲者が出たり、相当苦難の行軍と考えて差し支えないと思います。
少なくとも、箱を振ったらすごい結果がでてくるような代物ではありません。でも、そんなところがフロンティアのいいところではないでしょうか。おもしろい分野です。