社長と社員で織りなすマーケティングやらよもやま話。
マーケティング(WEB) | 2017/08/24
Webマーケ支援屋の冨田です。
中小企業の集客支援は、ちょっとした工夫で効果が出ることが多く楽しい仕事の一つです。
弊社では、ネット上の広報戦略やホームページや広告の企画制作などを行なっていますが、数回にわたって「誰でも簡単にできる」ネットの新規顧客開拓周りの話をご紹介しようと思います。
モノやサービスを売るには理屈があります。
お客様が欲しくなる「特徴」があって、競争相手が少なく、欲しいと思ってもらえるお客様にモノやサービスがあることを知ってもらえれば、大抵売れます。
弊社の仕事でいうと、競争相手の少ない分野でお客様のモノやサービスの「売り」と対象となりそうなお客様像が見えれば、仕事としては半分終わったようなものです。あとは、それが欲しい人にどのように情報を届けるかを考えれば良いわけです。
顧客開拓の前に重要なのは、小さくても良いのでこれから売るモノの本当の「売り」を探し当てることです。
そして、その「売り」を持った競争相手がどれくらいいるのかを調べ、少なければ「これは行けるかもしれない」と判断します。
では、「売り」をどのように探せば良いのでしょうか。事例から考えてみます。
弊社の取引先に小さな繊維工場があります。
なんの変哲も無いTシャツを作っていますが、1週間ほどで10枚から作ることができます。売りを考えた結果、「1週間ほどで10枚から作る」というのと、「どのような形のTシャツも作れる」ことは売りではないかと考えました。
同じような競争相手がどれくらいいるかネットで調べると、Tシャツを1から作るには最低100枚〜がほとんどでした。要するに誰もいません。
次に、これを欲しい人は誰かを考えます。
こうした小ロットのニーズは、企業のイベントやスポーツチームのグッズ販売ではないかと想定しました。そして、企業の顧客を持つ代理店に声をかけたり、自社ホームページでサービスを告知した結果、今までに無いお客様を初年度で5件取ることができました。
1回あたりの発注は数十枚と小さくても、年間通すとまとまった数になっています。単価と利益率が良いので十分商売になっています。
モノやサービスの「売り」は、当事者には気づきにくい場合があります。
前述の繊維工場では、「1週間ほどで10枚から作る」が結果的に「売り」になりましたが、経営者の目線では、以前は数千数万のオーダーが当たり前だったのが、中国やベトナムなどの海外工場との競争に負けた結果、追い込まれてそうなってしまったので、そんな状況が「売り」であることに気づきませんでした。
本当の「売り」を探すには、一度頭を空にして、モノやサービスの特徴や競争相手を見る必要があります。しかし、当事者は業界や過去の取り組みが頭に入りすぎており、そうした知識が「売り」の発見の妨げになってしまいます。
そのため、「売り」を考える時には、外野の目も取り入れることが重要です。すでにいるお客様に聞いてみたり、地域の助言機関から意見をもらったり、周りに聞くのも一つかもしれません。